「初回相談無料」という謳い文句
今日(正確には昨日ですが),NTTのタウンページの担当の方と,電話帳の広告の打ち合わせをしました。
私,京都にいるときには,タウンページに,広告どころか,番号も載っていない状態で。電話があれば普通は番号ぐらい載るやろうと思うんですが,どういう具合かそんなんでした。私もいい加減なもので。
守山に来て,さすがに電話帳ぐらいには載せておかんとと思っていたところ,来年出る電話帳の広告の案内があり,小さい枠で広告まで出すことにしました。
で,その原稿の打ち合わせを今日(正確には昨日)したのです。
担当さんの作ってくれた原稿には,「初回相談無料」という謳い文句を入れてありました。
前回の打ち合わせでそんなような話をしたような気もしますが,改めて見ると私には少々違和感がありました。
顧客からの敷居を低くするために,よくそういう謳い文句が広告で出されるということですが,「うーん,なんだかなー」という感じです。
実際には,私は結構何でも相談には応じるほうですし,わりと時間も割きますし,相談料をいただかないことが多いです。
でも,「初回相談無料」とまではどうも踏み切れないのです。
一つには,場合によっては,「法テラス」から相談料を出してもらえるということがあります。
「法テラス」というのは,日本司法支援センターの愛称ですが,公的な法律サービスの案内機関として最近はよく名が知られています。
この「法テラス」で,相談援助という制度があり,一定の収入要件を満たす方の相談であれば,申請すれば相談料を支給してくれます。
私は,最近初めて申請を出したぐらいのもので,ほとんど利用していませんでしたが,今後もこういうサービスは利用することがあると思います。
「相談無料」を謳い文句にして,「法テラス」の相談援助を受けたら,なんだかおかしいですよね。
「法テラス」の相談援助を受けなければいいじゃないってことですけど。どうもね。しっくりこないです。
しっくりこない原因かなと思いますが,「相談」をただに顧客誘引の道具にしたくないという気持ちがあります。
京都司法書士会では相談事業部におりましたし,今も日司連の相談センター事業推進委員会というところにおりますが,そういう「相談」というサービスについては自負があるのです。
「相談」というのは,事件を受託するための手段ではない。「相談」というのは,それ自体が法的サービスであるという考えを私は持っています。
そのわりに,簡単に無償で相談に応じているのですから,あまり一貫しているとはいえないのですが。
しかし,「相談」は顧客誘引の入口という考えには,どうにも抵抗があるのです。
そういう人は,「仕事になるかならないか」で相談者を振り分けることになるのではないでしょうか?
タウンページの担当さんは,「広告の読み手にとって,敷居を低くすることが大事」と言います。全くそのとおりです。しかし,「初回相談無料」にはどうしても抵抗が。
結局,「どんな些細なことでも,お気軽にご相談下さい。」という文言に変えることになりました。
担当さんは,「先生,真面目ですね。」って言ってくれました。でも,なかなかユーザーには伝わらんやろなー,こういう気持ち。
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