The Exchange
近畿司法書士会連合会のADR研究会をみていただいている,大阪大学の仁木恒夫准教授が,1年間のアメリカ留学を終えて戻ってこられたので,昨日,前年度の研究会メンバーでお会いしました。
アメリカで視察したADR機関の内,主に,カリフォルニア州サンディエゴにある“National Conlict Resolution Center”(NCRC)のお話を1時間ほど聴かせていただきました。
NCRCは,1983年に設立されて,比較的うまく運営されている機関だそうです。
ハーバード流交渉術をベースにした調停ですが,調停の過程に,“The Exchange”という過程があるそうです。
“The Exchange”には3つの面があるということで,それは
①アイスブレーカー:当事者のお互いに対立がない話,例えば「ここには何年住んでいますか?」というような話題での話をする。共通の価値が見出せるかもしれない。
②ブロッキング・イシュー(障害となること)について。問題解決を難しくしている感情などを取り除いていく。お互いに,相手の言っていることを要約するようにさせるとか,相手の言ったことが自分にどう影響を与えたかを話すようにさせるとかをする。
③本題(コンテンツ)についての話
ということです。
面白いですね。
また,この“The Exchange”のすぐ後に,コーカス(別席)で,解決についての選択肢をそれぞれに考えてもらうということがされているそうです。
コーカスをそういうふうに使えるのか!と,これもとても面白い手法だと思いました。
事案は,裁判所や警察からの紹介があるそうです。われわれの調停センターも,そのあたりへのアプローチも必要かもしれません。
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