「学び」とは別人になること
「身体を通して時代を読む 武術的立場」(文春文庫)という本を最近読みました。
武術研究家の甲野善紀さんと武道家で神戸女学院大学教授の内田樹(たつる)さんの対談録です。
“最近”といっても,読み始めたのは半年ほど前で,1回読んだのですがあまり消化できなかったのでポツポツともう1回読んでみたという本です。
最近読んでいる本は,他に,「これからの正義の話をしよう」(マイケル・サンデル),「反幸福論」(佐伯啓思),「反哲学入門」(木田元)で,通底する内容があるなーと思いながら,それらもよく消化できておりません。
「身体を通して…」も,いわば反哲学だなと思います。近代科学的なものの見方に対する批判があって非常に面白いです。
私は数年前から,甲野善紀さんの身体操作術に興味があり,この方の著作を見つけるとつい買ってしまいます。「身体を通して…」では,対談相手の内田さんの切れ味のよい話に感心しました。
内田さんは,最近,朝日新聞の求人欄に「仕事力」という文章を4回シリーズで書いておられるようです。私は,紙面では15日に第2回目のが掲載されていたのを読みましたが,ウェブでは3回目までのが出ているようですね。
なかなか面白いです。
「身体を通して…」では,「『学び』とは別人になること」ということが論じられているところがあるのですが,第2回の内容と重なりますね。
「学び」とは別人になること。
京都司法書士会調停センターの設立記念シンポジウムで,和田仁孝教授が,スキルとは「知識・経験・適正に裏打ちされた能力,振る舞いを統合する非意識的能力と態度」であると話されましたが,それとも通じることだと思います。
あまり焦点の定まらない文章ですみませんが,新聞で内田さんの文章に接して,ちょっと書きたくなってしまいました。
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